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唐津焼

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四百余年の歴史を受け継ぐ、素朴で力強い「用の美」のうつわ「唐津焼について」

桃山時代から遡り、古い歴史を誇る伝統工芸「唐津焼」。諸説ありますが、近年の研究によると、1580年代頃、岸岳城城主波多氏の領地で焼かれたのが始まりとされています。その後、豊臣秀吉による朝鮮出兵の際、朝鮮陶工を連れて帰り、その技術を取り入れたことで唐津焼は生産量を増していきます。

唐津港から積み出される唐津焼は京都・大阪をはじめとする西日本に広がり、焼き物のことを総称して「からつもの」と呼ぶほどに。また、茶道の世界では古くから「一井戸二楽三唐津」と言われるように、茶人たちから愛される茶陶としてその地位を確立していました。

唐津焼

江戸時代は藩の御用窯として伝統を守った唐津焼ですが、明治以降その庇護を失うことで衰退の一途をたどります。しかし、人間国宝・中里無庵(1895~1985年)が長い間忘れ去られていた桃山~江戸時代初期の古唐津の技法を復活させたことで再び息を吹き返し、作り手の数も増加。現代的な感覚を取り入れた作家も現れ、今では市内約70の窯元が点在しています。

唐津焼

唐津焼は"土もの"と呼ばれる陶器です。ざっくりとした粗い土を使った器は素朴かつ力強い印象を与え、今も昔も人々をひきつけてやみません。茶陶として発展した唐津焼ですが、生活の道具としてさまざまなうつわが存在します。また、唐津焼の大きな魅力は「用の美」を備えること。「作り手8分、使い手2分」と言われ、料理を盛る、茶を入れるなど使ってこそ作品が完成します。近年では、酒器(ぐい呑み)としても人気です。

唐津焼

唐津焼の種類

ほかの産地に比べ、唐津焼は種類が多いことで知られ、土の性質や釉薬、技法などにより分類されます。ここでは六種類を紹介します。

絵唐津(まだらがらつ)

絵唐津(えがらつ)

日本で初めて絵付けを施したといわれる唐津焼。絵唐津は、鬼板と呼ばれる鉄溶液で絵を描き、釉薬をかけて焼き上げたもの。唐津焼を代表する種類で、さまざまな器に用いられています。モチーフは草木や花、鳥など多岐にわたります。

斑唐津(まだらがらつ)

斑唐津(まだらがらつ)

白濁した藁灰釉を用いる斑唐津。素地に含まれる鉄分や燃料の松灰が溶け出し、表面に青や黒の斑点ができやすいことからそう呼ばれます。16世紀後半から現代まで作り続けられている伝統的な種類です。

黒唐津(くろがらつ)の画像

黒唐津(くろがらつ)

鉄分を多く含んだ釉薬を用いて焼き上げたもの。鉄分の量や酸化の度合いにより、飴色から褐色、深い黒まで発色はさまざまですが、総称して黒唐津と呼びます。

朝鮮唐津(ちょうせんがらつ)の画像

ちょうせんがらつ

鉄釉と灰釉の二種類の釉薬を使い、高温で焼くことで釉が自然に溶け合う様子を楽しめます。黒く発色する鉄釉を下にかけ、乳白色の灰釉を上から流すものが多く見られます。

三島(みしま)の画像

三島(みしま)

朝鮮の李朝三島の技法を受け継いだもの。半乾きの素地に印花紋、線彫などの文様を施し、化粧土を塗り、さらに釉薬を流しかけて焼き上げます。唐津では江戸時代に生産が始まりました。

粉引(こひき)の画像

粉引(こひき)

褐色の素地が半乾きのうちに白い化粧土をかけ、さらに灰釉などをかけて焼いたものです。古くから朝鮮で用いられた技法ですが、古唐津には粉引は見られず、近代になって取り入れられました。

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